孫に号泣されたじいちゃんのプレゼント大作戦
さかのぼること一年前の夏。
孫娘に号泣されるじいちゃんがいた。
初孫なのに抱っこできないじいちゃん
生後間もないころ、初めてのひな祭り、お宮参り、そこまでは良かったんです。
お盆に娘を連れて帰省することになり、じいちゃんは孫娘と数カ月ぶり再開することになりました。
生後8ヶ月。
これくらいの月齢になると、赤ちゃんは人の違いを認識して意思を持って接するようになります。いわゆる人見知りが始まる頃です。
で、結果がこちら
号の泣です。
じいちゃんをみると何故か泣く泣く、抱っこしようものなら全力で脱出を試みて暴れまくります。
必死過ぎてかりあげクンみたいな口に
まともな抱っこの写真が一枚もありません。
ばあちゃんには懐いていたので、見た目なのか声なのか、じいちゃん特有の何かが娘を怖がらせているようでした。
まぁ、じいちゃんも赤ちゃんに不慣れなので、引き出しがほぼないんですよね…
唯一のあやし芸がメガネボーン…
最初は笑ってみていた私と妻も、3日間泣かれっぱなしでションボリのじいちゃんをみているうちにいたたまれない気持ちになってきました。
結局、笑顔の抱っこがないまま終わったじいちゃんの夏でした。
今年の夏にむけて仕込む
妻「みていられない」
妻の悲痛な心の叫び(最初めちゃくちゃ笑っていましたが)、このまま何もしなくてよいのだろうか、いやよくないでしょう、ということで一年かけて準備をしていくことにしました。
娘のお気に入り猫スクラップブックにじいちゃんを添えて、サブリミナルじいちゃん
タブレットを実家に贈っていつでもビデオ電話、コンピューターおじいちゃん
他にも、じいちゃんに似た人がいたら積極的に会わせる(ドッペルゲンガーじいちゃん)など、なるべくじいちゃんの顔や声に慣れてもらおうと心がけてきました。
今年の夏
そして、ついに今年の夏がやってきました。新幹線に乗り、長野へ。
佐久平駅で車で迎えに来てもらい、実家に向かう手はずになっています。
ちなみに佐久平は、真田に沸く上田と天下の軽井沢に挟まれる、どちらかというと地味な駅です。ただ、地味ながらも新幹線駅を起点とした都市開発の成功例とも言われています。佐久平駅から都内に通勤する人もいるそうです。
そんな私のうんちくをつまらなそうに聞く妻と新幹線にワクテカの娘。
そうこうしているうちに佐久平到着。
改札で満面の笑みで出迎えてくれたばあちゃんには早くも慣れました。
一方、運転席で待つじいちゃん、娘とは直接顔を合わせないまま移動するとこになり、車内に緊張が漂います。
欲しいもの買ってあげる作戦
じいちゃん「トイザらスに行くよ」
予期せぬ一言、車ですぐのところにあるトイザらスへ向かうことに。どうやら欲しいものを買ってあげたいそうなのです。
私と妻も最寄りにトイザらスがないので憧れの場所だったのですが、娘も入り口から遠目にみえる宝の山に一層目をキラキラさせています。
あっ!
と、指差してはおもちゃに突進し、ふむふむと遊び尽くす娘。
ぴたりと寄り添うばあちゃん。そこはじいちゃんに譲って欲しいんだけどなぁ。
しかし、鉄壁のばあちゃんのディフェンスを前にじいちゃんは孫とのふれいあいがないままトイザラッキーを強いられます。
ところが、
あ、もしかして、端から全部見ていく気!?……まさにトイザらスと化した娘、ばあちゃんに一抹の不安がよぎります。
ガチで端から遊びだす、しかも1つ1つが長い
だいたい田舎の人は車文化なので健脚じゃなかったりします。
ばあちゃんが体力温存で一歩引いたところで、じいちゃんが控えめに近づいていき……すると、なんということでしょう。
そこには、孫を抱えるじいちゃんの姿が。
ピタゴラスイッチ的なおもちゃにビー玉をエンドレスで流し込む娘、せがまれて何度も持ち上げるじいちゃん、トイザらスにも沼がありました。
無言でうなずき合う私と妻。なんてことはないシーンなんですが、昨年の惨劇を目にしているためか感慨深いものがあります。
その後も多少の緊張感はあるものの、じいちゃんと娘は一緒に仲良くお店を巡っていました。
しかし、トイザらスハイなだけかもしれません。
まだまだ安心できないかもしれない、と実家に向かいます。
気に入ったおもちゃのカートで店内を爆走する娘
ちなみにトイザらスでは、いろんな商品が入っているおもちゃのカートを買ってもらいました。今もうちの中で縦横無尽にお買い物をしています。
サプライズプレゼント作戦
記憶する限りではプレゼントを贈る父を見たことがありません。なので、私としては衝撃的なできごとでした。
なんと娘におもちゃを買ってくれていたのです。
子供向けレジのおもちゃ
「ディズニーマジカルマートへようこそ!」というミニーの声で動き出すレジやビニールボールなどなど、家にもおもちゃの山がありました。
中にはガチで「それどこで買ったの?」なブツもありましたが……
とくにレジが娘のお気に入り。ピッ、とスキャンしたものを判別して値段を読み上げてくれます(赤外線とRFIDタグで認識してる?)。
レジモード以外にも、読み上げられた商品をスキャンするとピンポン!となるお使いモードもあります。
教えたことがないぶどうを的確にお使いしてくる姿に、「天才か」と騒然する我が家。さすが巨峰が名産である東御市の孫です。
このドリームレジスターは大のお気に入りとなり、我が家のあらゆるものが日々お会計されています。ちなみに私は250円でした。
シャボン玉で仲良くなろう作戦
更にじいちゃんの作戦は続きます。
勝機とよみとり、一気呵成に畳み掛けてきました。
じいちゃん「シャボン玉やらないのかい?」
三角形に秘密あり
私が遊びたかった、そんな理由でトイザらスでこっそりシャボン玉グッズを買っていたのです。それをじいちゃんは見逃しませんでした。
聞くところによると、巨大シャボン玉をつくるには三角形が向いているそうです。
トイザらスでみつけたこのアンビリーバブルビッグも三角形になる剣型のシャボン玉グッズです。
その威力は……
でっ
でかいっ!
全員「ワァオ」
娘大のシャボン玉を簡単に作ることができるじゃありませんか。
作ってくれとせがまれて巨大シャボン玉をつくるじいちゃん
バブル系の魔法を発動している風の娘
さすが、古くから遊びの王道として君臨するシャボン玉です。1歳8ヶ月の幼児から70歳間際のじいちゃんまで夢中になって遊んでしまいました。
一体感が出たところで、じいちゃんが普通の大きさのシャボンをやってみせると、フーっと真似をする娘。
初日はできませんでしたが、じいちゃんに教えてもらったかいがあって2日目には、見事なシャボン玉を作れるようになりました。
できた!
シャボン玉作戦でかなり距離が近づいた感があります。
というか、「あれ、ずっと消えずに飛んでてすごかったな、すごかったな、な」と興奮気味なじいちゃん。実際一番はしゃいでたのはじいちゃんだったりして。
一緒にじょうろ作戦
2日目の朝、朝食の後に再びじいちゃんの作戦が発動します。
じいちゃん「一緒に水をあげるかい?」
なんと、娘用のじょうろを用意してくれていました。
孫のために買って育てているサクランボの苗木、自らぞうさんじょうろで水やり
労働の喜びをかみしめる娘
黙々とトマトやナスに水を上げる二人。まるでいつも一緒にいるじいちゃんと孫が日課の水やりをしているかのようです。
最終日は抱っこされてトマトを収穫
時間があると、自分から水やりをしたいと積極的な娘にじいちゃんはとてもうれしそうでした。トマトは嫌いなので食べられませんでしたが……
笑顔の抱っこでお別れ
地元ではかなりイケているスーパーマーケット「ツルヤ」で仲良く買い物したり、
娘史上最高の乗り心地だった(と思われる)のツルヤのブーブーカート、娘は自分がしてると思っているが運転してるのはじいちゃんだ!
立科町にある長門牧場を一緒に楽しんだり、
長門牧場はアルパカもいますが、つばをとばしてくるので気をつけろ!
プレゼント大作戦が功を奏したのか、だんだんと仲良くなっていったじいちゃんと娘でした。
最終日は、小諸駅からしなの鉄道にのって軽井沢駅経由で帰る予定だったので、小諸でお別れです。
駅前で記念撮影。
時間がなかったので、なぜかアニメの聖地パネルの前でポーズ
にっこり笑って抱っこでお別れ。家族全員が大満足の楽しい帰省となりました。
まとめ
じいちゃんが笑顔で孫娘を抱っこできて本当に良かった。
時間が解決しただけでは、とも思いますが、じいちゃんなりに孫娘との距離を縮めようといろいろとプレゼントを用意してくれたことがうれしいです。
また、ふりかえってみると娘の反応が良かったのは、カート、レジ、シャボン玉、じょうろ、大人とおなじことができるおもちゃが楽しかったようです。おもちゃそのものというより、一緒に遊ぶとか、一緒にお仕事する、という体験が嬉しかったのだと思います。
と言うわけで、娘に号泣されたじいちゃんのプレゼント大作戦の話でした。
それどこ大賞「買い物」