まずは周知!子供のボタン型電池の誤飲事故は世界でも問題になっている
NHKなどで、子供の「ボタン型電池の誤飲」が非常に危険だというニュースが報じられています。
ボタン型の電池は、飲みこむと消化管で放電を始め、電気分解によってできるアルカリ性の液体で、食道に穴が開くなどの大けがをすることが多い
ボタン型電池 子ども誤飲し大けが相次ぐ NHKニュース
この問題に対する対策は大きく3つあると思います。
- ボタン型電池を製造するメーカーの対策
- ボタン型電池を使う製品を製造するメーカーの対策
- 消費者の対策
今回のニュースは消費者の対策を促すために、その危険性を周知しているわけです。
そりゃそうだ、という話なんですが、冒頭記事のはてなブックマークに「なんで今周知してるの?」といったコメントがあり、気になったので調べてみました。
世界中で起きているボタン型電池の誤飲事故
今回のニュースは消費者庁の呼びかけがきっかけとあるので、消費者庁のリリースを見にいくと、あっさりと「なんで今周知してるの?」の答えが書いてありました。
本件公表は、経済協力開発機構(OECD)と16の国と国際機関が連携して取り組む「ボタン電池の安全性に関する国際啓発週間(2014年6月16日~20日)」の一環として実施するものです。
幼児(特に1歳以下)のボタン電池の誤飲に注意!消費者庁
周知のタイミングの理由がわかりましたが、ボタン型電池の誤飲事故は日本だけの話ではないんですね。
消費者庁のリリースから世界の「ボタン型電池の誤飲に関する事故」について一部抜粋でまとめると次のとおりです。
国 | 状況 |
オーストラリア | 毎週約5人の子どもが救急診療部を訪れる。 |
オーストリア | 2005年-2011年に14件の入院事例 |
カナダ | 1年平均65名が救急診療部に訪れる。 |
クロアチア | 2013年5件、2012年6件、2011年14件の入院件数 |
フランス | 推計すると毎年1,240 件ボタン電池に関わる事故が報告 |
韓国 | 最近4年間で合計254件の誤飲事例 |
アメリカ | ボタン電池による傷害が毎年3500件 |
とくにアメリカは急増しているという報告もあるようです。
事故数の推移を年度別に見ると、1995年の1900件から2010年の4800件へと約2.5倍に急増している
米国でボタン型電池の誤飲事故が急増
近年を含めた時系列のデータがないので「ボタン型電池の誤飲に関する事故が増えている」とは言い切れませんが、対策すれば防げる事故なので「事故ゼロ」というあるべき姿に対して「事故が起き続けている」という現状は間違いなく問題ですよね。
なぜ大けがになる?ボタン型電池の誤飲
ここまでだらーっと調べているうちにそもそもボタン型電池を誤飲するとなぜ大けがになるのか理解が不足していることに気づきました。
今更かよ!と思いつつ、下記ページを参考にまとめると次の通りのようです。
リチウム電池に関する警告 — 日本小児外科学会
電池の知識:電池の特長と用途|一般社団法人 電池工業会
食道付近にひっかかりやすく、短時間で潰瘍をつくってしまう「コイン形リチウム電池」の誤飲が非常に危険だと分かりました。
ただ正直「電気分解によりマイナス側にアルカリ性の液体を作る」のくだりが理解しきれていない……。あとで勉強します。
どう防ぐ?
ボタン型電池の危険性を知ることが第一歩ですが、どう防ぐべきなんでしょうか。
OECDの「ボタン電池の安全性に関する国際啓発週間(2014年6月16日~20日)」に記載されている「幼い子どもの親や介護者のための有用な安全手順 」を参考にまとめると次のとおりです。
- 見えないところや子供の手の届かないところに保管する。
- ボタン型電池の危険性を記述したラベルや警告に注意を払う。
- 子供が簡単に電池を取り出せない構造をしているか電池収容部を確認する。
- 定期的に製品を調べ、電池収容部が安全であることを確認する。
- 使い終わったらすぐに処分する。
- 子供がボタン型電池を飲んだ可能性がある場合は、すぐに病院/小児科医へ連絡する。
- ボタン型電池のリスクを知らない人へ周知する。
そんなわけで、前にも話題になっていたし何をいまさらニュースでやっているの?という話ではなく、定期的に周知して、それこそフグには毒があるというレベルの一般常識にしていかないといけない話なんだと思います。