ちょろげ日記

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エルゴ以外の抱っこひもを選んだ理由

乳児の子育てになくてはならない「抱っこひも」、我が家では人気のエルゴベビーの抱っこひも(以下、エルゴ)を選びませんでした。

そこで、どうしてエルゴ以外を選んだの?というポイントをまとめてみました。抱っこひもの購入を検討中の方の参考になれば幸いです。

エルゴ一色

抱っこひもというと、街でみかけたりテレビでインタビューをうけるお母さんが使っているのは大体がエルゴ、周りを見渡すとエルゴ一色という印象を受けます。  
東京都生活文化局による調査(2016年)では、抱っこひもの年間販売数は80-100万個で、50%が海外製品であるとされています。

抱っこひも等の国内市場は、80-100 万個(年間販売数)と推計されており、その規模は拡大傾向にある。 欧米等の海外製品の人気が高く、シェアは 50%程度と推定される。

抱っこひも等の安全対策~東京都商品等安全対策協議会報告書~(PDF)

エルゴ以外でもベビービョルンなどの海外製品はありますが、おおよそ50%近くはエルゴのシェアなのではないかと思います。お下がりで使う人もいますから、実際に利用されているシェアはもっと高いかもしれません。

子育てクッズは、周りも使っている!という安心感で選ぶところがあります。その点、エルゴはお店・雑誌・周りの友人を通じて必ず目にしますから、自ずと多くの人に選ばれることになるのだと思います。  

ただ、そんな人気もあって、安全性に問題がある偽物も出回っているそうです。なので、購入する時は日本正規取扱店舗(公式のWEBサイト、店舗)で購入した方が良いでしょう。

偽造商品について | Ergobaby - エルゴベビー公式サイト | ベビーキャリア・抱っこひも

日本正規取引店舗:北海道・東北 | Ergobaby - エルゴベビー公式サイト | ベビーキャリア・抱っこひも

 

 

エルゴ以外を選んだ理由は?

それじゃぁなんでエルゴ以外を選んだの?という話です。

長時間利用なら腰ベルトは必須

その前に、ある程度の長時間の抱っこをする前提であれば、エルゴとそれ以外にかかわらず、クリアしなければならない機能があります。

それは、腰ベルトの有無です。

抱っこひもの腰ベルト 腰ベルトがあるとないとでは大違い

登山リュックは腰で背負うといいますが、長時間の抱っこひもも一緒です。腰ベルトがないと間違いなく肩がやられます。腰ベルトがある抱っこひも選ぶ!これが我が家の第一歩でした。

 

腰ベルトつき抱っこひもの主要メーカー

ちなみに、当時調べた時に候補にしたメーカーはこちら。商品は当時のものとは別ですが検討の参考になれば幸いです。

エルゴベビー

アップリカ

コンビ

グレコ

napnap

 

他にも沢山のメーカーから腰ベルトつきの抱っこひもは出ています。私が候補にしたのはこんなところです。

そういえば並べてみて見るとよくわかりますが、エルゴはロゴの視認性が高いですね。この辺も認知度を上げることに一役買っていそう。

余談ですが、登山メーカーが抱っこひも業界へ参入すれば面白いのに、と前から思ってます。
 

抱っこひもを選ぶときのポイント

で、数ある腰ベルトつきの抱っこひもからどうやって選んだか。

我が家の場合は次の3点で考えました。

  • 一番よく使う人のフィット感
  • 抱っこひも自体の重さ
  • 日本製抱っこひもメーカーの売り文句(の信憑性?)  
     

一番よく使う人のフィット感

家庭によって「誰が抱っこひもを一番良く使うのか」は違うと思います。重要なのはその人にあった抱っこひもを選ぶことです。

我が家は、育児休暇をとる妻が使う頻度が最も高くなるので、妻がしっくりくる抱っこひもを最優先に選ぶことにしました。

加えて、当時、抱っこひものすき間から赤ちゃんが落下した、というニュースを見聞きしたこともあって、安全性の面からもしっかり妻の体に合った抱っこひもを選ぶ重要性を感じていました。

ちなみに、抱っこひもを販売しているメーカーなどでつくる「抱っこひも安全協議会」という団体が「抱っこひものヒヤリハットというアンケート調査結果を2017年1月に公開しています。

f:id:tyoro_ge:20170416184351p:plain http://dakkohimo.jp/archives/news/report01より

この調査によると、抱っこひもを利用してるときに一番ヒヤリとしたのは、赤ちゃんを落としそうになった時、ということがよくわかります。

落としそうになるのは「乗せる時、降ろす時、抱き方を変更する時など、抱っこをする前後や抱き方の変更時」が最も多いという結果でしたが、かがんだときなど装着時に落としかけた経験のある方も多かったようです。

背の高い夫が抱っこ紐を使用したとき、少ししゃがんだ際に、脇のところから落下。使い方というより、一瞬前かがみになったのが原因だと思われます。特に怪我もなかったですし、大丈夫だったのですが。、、、でもこれが事故というものですよね。想像できなかったので落下でした。

 
東京都による「国内及び海外の抱っこひも等に関する事故事例等(PDF)」では、より具体的な抱っこひもによる事故や事例がまとめられています。

また、「抱っこひも等の安全対策~東京都商品等安全対策協議会報告書~(PDF)」により広範な調査と分析がまとめられています。

この中で意外だと思ったのが、「「危害」「危険」「ヒヤリ・ハット」の経験事例と消費者の意識」という項でした。

ヒヤリ・ハット等の経験のある人 143 人に事故の原因を尋ねたところ、約 9 割が保護者の不注意と回答し、商品や注意表示・取扱説明書に問題があったと考えている人は 1 割にとどまった。このためか、ほとんどの人が販売店消費生活センターなど、どこにも報告しておらず、実際に転落した「危害」「危険」に絞っても 25 人中 1 人が、販売店とメーカーに報告したのみであった。アンケート調査の自由記入欄では、「使用者が気を付ければよい」という意見が多く、消費者の声がメーカーや販売店に届きにくく、商品の改良等に結び付きにくいと考えられる。

ヒヤリハットを経験した時に、抱っこひも自体の問題ではなく、使用者が注意不足だったと捉える傾向があるという指摘です。

これは商品自体の問題を軽視する要因となるだけでなく、利用者が自身に合った商品を選んでいるかどうかも同様に軽視する要因になっていると思います。

利用している時に常に注意をするのが一番ですが、購入を考えている方は、自分の体格に合っていて安全性の高い抱っこひもを選ぶのも大事なのかなと思います。
 

そんなわけで、我が家は、実店舗へ足を運んでいくつか候補の抱っこひもを試着して、最終的にアップリカのコランハグに決めたのでした。

状況次第で厳しいかもしれませんが、試着に行くのであればお腹が大きくない時期にいけるといいですね。
 
 

抱っこひも自体の重さ

エルゴを選ばなかったもう一つの理由は、商品自体の重さです。

試着する時にどうもエルゴは重い、と感じていました。具体的にどの程度の差があるんでしょうか。ざっくり調べて見た結果が次の通り。

メーカー 商品名 重さ
エルゴベビー ADAPT 1.9pounds=約861g
アップリカ コラン ハグ AB 680 g
コンビ ジョインEL-E 621 g
マンジュカ ニュースタイル ベビーキャリア 980 g
ベビービョルン ベビーキャリアONE+ 約1kg

 
国産が軽めで、海外の方が重い傾向がある気がします。

エルゴだけは商品自体の重さを明記している日本語サイトが見つからなかった(あえて公表していない気もちょっとしますが)ので、アメリカのAmazonに記載されていた数字を参考に載せています。

数字で見ると抱っこひも自体の重さの違いは、おおよそ200グラム。

これを大きいとみるかどうかですが、我が家では毎日使うものだから少しでも軽い方がよいと、重さの点でエルゴを選択肢から外そうかなと考えました。
 
 

股関節への影響はある?

エルゴを選ばなかった3つ目の理由は、股関節への影響です。ただ、これは眉唾かなぁという印象ですが、言われてしまうとどうしても気になってしまうものでした。

ちなみに、赤ちゃんを抱っこするときのおすすめの姿勢は「M字型」とされています。例えば、日本小児股関節研究会からは次のような提言がされています。

2.抱っこは正面抱きが好ましく,「コアラ抱っこ」をしましょう. 両膝と股関節を曲げてM字型に開脚した状態を基本として,自由に脚を動かせる環境をつくりましょう.両脚を外から締めつけて脚が伸ばされるようなきついオムツ(巻きオムツ)や洋服は避けましょう.赤ちゃんを正面から抱くと,両膝と股関節が曲がったM字型開脚で親の胸にしがみつく形になります.この正しい抱き方は,あたかもコアラが木につかまった形であることから「コアラ抱っこ」とも呼ばれています.同様に,両膝と股関節がM字型に曲がって使える「正面抱き用の抱っこひも」の使用も問題ありません.横抱きのベビースリングは開脚の姿勢がとれず,両脚が伸ばされる危険もあるため注意が必要です. 股関節脱臼の予防 | はしもと小児科より

 
このM字型に抱っこができるとういう点では、エルゴも売りにしていて、公式ページには次のような説明があります。

f:id:tyoro_ge:20170427200755p:plain Guide 抱っこひもの選び方 | Ergobaby - エルゴベビー公式サイト | ベビーキャリア・抱っこひもより

ではエルゴの何が気になってしまったのか?というと、抱っこするときの赤ちゃんの脚の開き具合が、とくにエルゴは大きい(印象がある)のです。

googleで「エルゴ 股関節」と検索すると「開きすぎ」「負担」というサジェストが出てきたり、関連する記事が出てくるので、同じように気にしている方もいらっしゃるようです。

アップリカのホームページでもその辺を意識してか、次のような説明があります。

f:id:tyoro_ge:20170427173400p:plain

日本人の体型を考慮した安心のフィット設計です。

赤ちゃんの脚が開きすぎない自然なM型スタイルに保持します。

商品詳細 - コランハグ<リュクス>/ APRICA(アップリカ)|アップリカ公式オンラインショップより

 
はたして本当にエルゴの抱っこひもは股関節が開きすぎて負担になっているのか、調べた限りでは納得できる記事はみつかりませんでした。

具体的に問題があったと見聞きしたこともないので、積極的にエルゴを避ける理由にはなりませんでしたが、気になるといえば気になる点でした。  

まとめ

といわけで、我が家がエルゴ以外の抱っこひもを選んだ理由でした。

抱っこひもといえばエルゴ、と他の選択肢を検討しない方も多いかと思いますが、使う人の体型に合ったものを選べるといいんじゃないかと思います。