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ちょろげ日記

日々のちょろっとしたことを

長野のはんそで

長野

今週のお題「方言」

長野県民はほぼ標準語。

東京に来てからもその考えは変わらず。

さらには、信濃の人々は鎌倉時代から東京へ向かう傾向があったことを、司馬遼太郎「街道をゆく信州佐久平みち」で知り、根拠を得たりと確信へと変わった。

長野の人々は古くから標準語にもまれているのである。

街道をゆく 9 信州佐久平みち、潟のみちほか (朝日文庫)

街道をゆく 9 信州佐久平みち、潟のみちほか (朝日文庫)

信州は鎌倉以来、上方圏に属せず、関東圏に属し、交通網もそのようになっている。鎌倉幕府ができると鎌倉へできるだけ早く到着できるように信州の各地で多くの「鎌倉往還」が開鑿された。 江戸期も、信州の多くの大名が江戸までの参覲交代の道路をひらいたり、たえず普請したりした。明治後は、自然、東京の商品経済のエリアになり、また丁稚に出たり就学したりする信州人の子弟も、京・大阪へ出る者はまれで、ほとんどが東京へ出た。自然、どの信州人も戦前から親類の二軒や三軒は東京にあり、交通路という点でも、東京へいよいよ傾斜した。

私「ちょっとまってくるわ(トイレで排泄してくるよ)」

友人「え?待ってればいいの?」

私「へらがいたくてさ(舌がいたい)」

友人「お、おう」

まぁ、そうはいっても2,3通じない言葉はあって、方言だったのかと省みて それからは標準語を使うようになっていった。

東京で標準語に囲まれて暮らしてしばらくが経ち、結婚して昨年娘が生まれた。

とある日、長野の実家にいる父がに~に~言っていることに気がついた。

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というか、週末は父がSkypeごしに孫娘に語りかけている様子が恒例なのだが、それをみていた妻が、そういえば前から気になっていたけど、と言い出したことで認識できたのだ。

父「かわいいに~」

父が急に言い出したわけでなく、私が気になっていなかっただけのようである。

どうも自分が口に出して使っていた方言は、これは標準語じゃないから、とばっさり分けて厳重に封印されているが、聞き慣れているが使ったことがない方言は、耳からするするっと標準語然として入っていたようだ。

意識して聞くとたしかに父は、に~に~言っている。それどころか、~だに、とまで言い出している(いや昔から言っていたのだが)。

ちなみに「~だに」を使うのは、長野だけでなく静岡、なぜか島根もそうらしい。

~だにといえば、はじめの一歩の猫田さんである。上越の 山奥でペンションを営むこのおじいちゃんももしかすると長野あたりの出身なのかもしれない。

さて、微妙な違いという点で方言を考えると、イントネーションの違いは避けては通れない。

ずくを出して(やる気のようなもの)長野の方言について調べてみる。

ネットにはあれやこれやと書かれているのだが、ひとつ衝撃的な説明が書かれていた。

はんそでのイントネーションである。

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標準語では、「は↓んそで」であるらしいが、長野県民は「は↑んそで」であるらしい。

何が衝撃かというと、以前から「はんそで」の発音に自信がなかったからである。ところが、「長野県人は標準語」という確信から 「はんそで」問題は私固有の問題だと思っていたのだ。

私「は↑んそで」

妻「イントネーションおかしくない?」

研究した結果、コンソメのイントネーションではんそでと言えば、標準語になることがわかったが、声に出すときにどうしてもすぐに出ない。

以来、私はお店で「はんそでください」を言えなくなってしまっていた。「みじかいほうありますか?」である。

はんそで以外にも、いちごもそうだった。説明したいがもはや標準語のイントネーションがどれで長野のイントネーションがどれかわからない。

結局のところ、長野県民もそれなりに方言が多いのである。

wikipediaには次のように書かれている。

話者の方言観として「信州弁(或いは自分の居住する地域の方言)はごく一部の語彙を除けば、共通語や東京周辺の首都圏方言とほぼ同じだ」と錯覚している者の多いことは、長野県下各地の共通項として挙げられる

私のことだ(まぁこの言説自体は山梨だったり群馬だったりでもあるのだが)。

方言トークで盛り上がる飲み会で「長野って方言ほとんどないからさぁ」としたり顔で語っている私をしみまくった(凍ってしまった)野沢菜でひっぱたいてやりたい。

しかし、それなりに方言があるのだとわかると意外なもので、妙に郷土愛が湧いてくる。

娘は標準語の世界で育つことになるのだが、毎週末長野ネイティブのおじいさんと語学学習を重ねている。

娘にも長野の系譜が少し残るのかもしれないな、と思うとなんだかうれしくなる。

やだくない、ごったく 、~に、しんの、とか語感が可愛らしい方言を娘が使い出したらおじいちゃんもうれしいだろう。

というわけで、真田丸で上田や小諸へ行かれる方は、長野の方言もお楽しみください。