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ちょろげ日記

日々のちょろっとしたことを

誘発分娩で出産した妻を見守った夫の記録

妊娠
予定日を6日すぎた妻。陣痛が来る気配がないこともあり、入院して陣痛促進剤を使うことになりました。いわゆる誘発分娩・計画分娩です。
 
そんな最中の夫のほぼリアルタイム書き殴り(あとで若干の微修正)の記録。
 
読み返すと何もできなかったなぁという記録なのですが、何かしら今後経験される方の何かの役に立てば幸いです。
 
また、出てくる用語や数字などは医学的な知識がない私が記憶している範囲で書いています。参考程度にご覧ください。
 
 
8:20
 
受付を済ませて出産待機室へ。
 
出産待機室で陣痛促進剤を投与し、その時が来たらすぐ隣にあるLDR(陣痛・分娩・回復まで行える部屋)と呼ばれる部屋で出産をするという段取り。
 
それらの部屋があるエリアは鍵がかかっているので、入るときは看護師さんを呼ばないと入れない。
 
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まず、準備のために妻だけ入る。ロビーで義母と待機。
 
いったいどういう処置をするんだろう?と話す。義母も自然分娩しか経験したことがなかったので、誘発分娩がどういったものか具体的にはわからないようだ。
 
 
9:00
 
夫以外は2時以降しか中に入れないとのことで、義母が帰る。夫は24時間出入りOK。
 
待てども来ないので看護師さんに声をかける。自分のことをご主人と言ってしまう。
 
待機する妻に会う。かなり不安そうだ。これから来る痛みに心が折れかけている様子。なんて声をかけるべきか。
 
欲しいものがないか聞くと水が欲しいらしいので外に出る。
 
戻るとちょうど先生の診察が終わっていて、今日の方針を妻に伝えていた。当初は錠剤の促進にする予定だったけれど、点滴で始めるとのこと。
 
今のところ子宮口は3cm程度開いているそうだ。
 
 
9:30
 
看護師さんが来て促進の点滴をセットアップ。太めの針でびびる、私が。
 
そして、どうやら私が壮絶に邪魔。部屋の隅で限りなく棒状になって過ごす。
 
妻のお腹に直接パッド?が貼られ、そこからコードが伸びた先にあるモニターにスイッチが入る。
 
モニターをながめる。左は胎児の心拍数のようだけれど、右のtocoという値はなんだろう?
 
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調べてみると子宮口の収縮を示す値だそうだ。このモニターの内容は離れた場所にいる看護師さんも見ることができるとのこと。
 
促進の点滴が始まりしばらくすると妻が痛そうな顔をしだした。さっそく効果がでてきた。
 
妻いわく生理痛の痛み。そして、妻がううっと痛みを感じるとtoco値が上がる。痛みを感じるとほぼリアルタイムにtoco値も上がるので、妻の表情で様子が判断できないときも痛いかどうかおおよそわかる。
 
いまのところだいたいピークは7分おきにやってくる。ocoの最大値は80を示している。
 
促進は毎時10mlの投入量で始めて、30分毎に10ずつ段階的に上げていく。最大は毎時120mlまで。1パック500ml。投入量が増えると陣痛を引き起こす効果も強くなるので痛みも増すとのこと。
 
 
10:00
 
妻がトイレに行くために看護師さんを呼ぶ。俺、棒状に張り付く。
 
戻ったらベッドを立ててもらった。陣痛を促すためには座っている方がよいらしい。
 
 
10:30
 
早目に飯に出る。近くに店がないので少し遠出。
 
タイカレーを食べる。かなりうまい。なかなか良い店を見つけた。子供が大きくなったら三人で来よう。

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裏で妻も待機室でランチ。結構豪華だったようで、冬至なのでかぼちゃが出たそうだ。
 
帰りがてら妻にラインで欲しいものを物色してもらう。

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セレクトがしぶい。
 
 
12:30
 
産院にもどる。お昼休みで一階の外来は静か。病室のある二階は看護師さんがいそいそと動き回っている。
 
待機室に戻ると食事のせいか少し落ち着いた表情の妻。
 
促進はすでに毎時70ml。toco値をみてみるとピークは3分に1回とペースが上がっている。
 
生理がきつめの妻はいつもの生理に比べたら耐えられる痛さかも、と意外と落ち着いている。ただ今回は痛み止めは飲めない。
 
 
13:30
 
促進80。toco値はついに100をこえる。
 
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あらためてtoco値について看護師さんに聞くと、体勢や脂肪の厚みなどに影響されるので目安程度ですよとのこと。
 
妻がお腹を触ってみてというので触るととんでもなく固くなってる。これが「はってる」という状態らしい。
 
 
14:00
 
本日二回目の診察。子宮口は朝と変わらず3センチ。少し角度が変わってきているけれど、今日中に生まれる可能性が低そうと言われる。
 
気長に待とうぜ、と妻と話す。
 
妻が尻が割れそうに痛い、わかるかなぁわかんねぇたろうなぁとぼやく。まだ余裕はありそう。
 
 
15:00
 
看護師さんの提案で少し休憩したほうがよいということで、横向きに寝ることに。お腹をポコンっと蹴られたと妻。
 
妻がトイレに行くというので私もトイレへ。
 
 
私が部屋に戻ると……破水してた!
 
トイレに立とうとしたらジャーと出たそうで看護師さんの処置を受けている。どうやらポコンっのタイミングで破水していたようだ。
 
抗生物質の点滴がセットされる。
 
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酸性に保たれている産道が破水したことで羊水が流れ、アルカリ性になる。ウイルスの繁殖の可能性が出てくるため、予防処置として抗生剤をいれる必要があるそうだ。
 
 
15:30
 
破水の処置後は、大きな変化なし。間隔は狭くならないけれど痛みが増してきたらしい。
 
これが1分間になったら地獄だ、と妻がつぶやく。すでに生理の痛みを超えている。
 
戻ってきた義母にtoco値の役割を教えると、カウントをするようになる。
 
103,104,105……ほらあがってきたわよ
 
 
16:30
 
少し離れたLDRから産声が聞こえる。
 
一方、こちらはあらためて今日の出産はなさそうと看護師さんから報告をうける。促進を投与しきったら処置は完了とのこと。
 
とはいってもまだ先は長い……

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19:00
 
促進が空に。看護師さんは夜勤の方がやってきた。
 
促進で刺激されてこのまま自然に陣痛が続けば夜に生まれる可能性もあるらしいが、すでに痛みの間隔が離れてきているので、可能性は低い。
 
翌朝の先生の診断で今後の方針を決めるとのことで、私と義母は今日はいったん家に帰ることに。
 
妻はこのまま待機室で夜を明かす。
 
促進の効き目は一時間ほど残るそうだ。
 
 
 
二日目……
 
とんでもない快晴。夫婦で晴れ男晴れ女なので今日生まれるかもしれない。
 
 
8:00
 
看護師さんに顔パス気味に入れるようになってきた。入室。
 
すでに朝ごはんを食べ終えた妻。顔がかなりつらそうだが、一応9割は食べられたのでまだ余裕はありそう。
 
話を聞くと、夜も陣痛は続いていて、羊水もジョロジョロと出ていたので、一時間起きに看護師さんの回診があったとのこと。抗生剤の点滴も朝4時ごろに一回したそうだ。
 
私にとっては一夜開けての二日目だけれど、妻にとっては切れ目のない25時目なのだ。
 
 
9:00
 
先生の診断で今日も昨日と同様の処置にするとのこと。子宮口は4センチ。1センチだけ広がっている。
 
夜に続いていた陣痛は微弱だったので、引き続き促進が必要とのこと。
 
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赤ちゃんの様子を見て、元気なようなら投入を始める。
 
 
9:30
 
促進開始。今日も10から。

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赤ちゃんが下がってきやすいように体を起こしてあぐらの体勢にされる。首のおさまりがよくないので私のユニクロフリースを枕代わりに使う。トラベル用の枕があると良かったかも。
 
リラックス用にアロマがばらまかれる。そのせいか痛みがない瞬間に妻のいびき……でも痛みですぐ起きる。
 
 
10:00
 
促進20に。
 
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看護師さんが夜中はいつからお腹が定期的に張っていたか聞いてきた。もし、今日お産した場合、そのお産につながる最初の陣痛がいつだったのか把握しておいたほうがよいらしい。二人目以降の目安になるからだそうだ。でも促進を使うとなかなか把握が難しい。
 
妻の痛みは昨日の促進の設定が120のときのレベルに。痛んだ時に息を吐いてリラックスするように言われる。
 
 
10:30
 
通常陣痛だと妊婦さんには歩き回って赤ちゃんが下に行くようアドバイスするらしい。促進をうっているとモニタリングしていないといけないので、ベッドから離れられない。
 
ということでボールが登場した。これに突っ伏す姿勢にするよう指示を受ける。

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が、むしろ陣痛が弱まった気がすると、すぐさま退場。
 
その後、陣痛が戻る。toco値でみるといまのところ7分ごとに1回に陣痛がきている。昨日の午後のペース。
 
 
11:00
 
看護師さんからtocoで厳密に陣痛の判別ができるわけではないから自分たちでも測ってみてね、と言われる。
 
陣痛時計というアプリを使ってみる。家などで陣痛かも?というときに間隔を測るアプリ。自然陣痛の場合、10分間隔になったら陣痛とみなして病院に向かう。 

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促進が50を超えて間隔がだいぶ短くなってきた。
 
 
12:00
 
昨日より妻に余裕がないこともあり、今日は私も待機室で妻と一緒にお昼。
 
妻は食べるどころではないようで、一口二口食べてあとはオレンジジュースを少し飲んだ。無理にでも食べて欲しいが強くは言えなかった。
 
食べ終わるとまた陣痛の間隔が開いてしまった。2分から5分の間でばらついている。
 
 
13:00
 
看護師さんの提案で電気を暗めにする。なるべく集中するためだそうだ。
 
外からは後から来た方の分娩の叫び声が聞こえる。
 
妻、私はまだ終わりがみえない……と、つぶやく。
 
 
14:00
 
促進100。
 
妻の余裕がだいぶなくなってきた。看護師さんに後ろから背中をさするように言われてやってみる。
 
気持ち悪いからやめてと妻。難しい。
 
 
15:00
 
熱はないけれど妻が寒いということで、看護師さんがバケツにお湯を入れて持ってきてくれた。足湯で下半身を暖めるのも陣痛を促すのにはよいらしい。今日の看護師さんは経験豊かでいろいろと試してくれる。ありがたい。
 
同時に抗生剤の点滴も始める。促進は110。
 
 
16:00
 
促進剤120。陣痛は2分に1回程度のペースで続いている。痛みはこれまでで一番強い状態だ。
 
妻が、もう……となにか話そうとして言葉を飲み込んだ。これまでの経緯を間近でみていて何を言いたいかわかった。
 
あとで確認すると、やはり感じ取った通りでもう帝王切開にしたい、と言おうとしていたそうだ。
 
 
16:30
 
先生の診察。このまま促進をもうワンパック(500ml)追加して続けるとのこと。
 
本当にこれから数時間の投与に耐えられるんだろうか、妻が心配だ。
 
 
17:00(ここからはあとから思い出して書いています)
 
妻がどうも様子がおかしいと言い出す。外はすでに日が落ちていて部屋の中は薄暗く妻の表情がはっきりとわからない。
 
電気をつけると妻の頬がかすかに紅潮している。表情も違う。
 
 
急いでナースコールをする。
 
 
看護師さんが子宮口を確認。6cmまで開いて髪の毛が見える程度まで赤ちゃんが下に来ているとのこと。すぐさまLDRに行くように指示を受ける。
 
部屋の荷物も勢いよく全部移動するらしい。あわてて荷物をまとめる。荷物に気を取られているうちに妻はLDRに運ばれていった。その間30秒もかかっていない。
 
移動したLDRは、カップル見学会の時に試しにと言われて私が分娩台に乗った部屋だった。股を開く私を笑いながら見て、こうやって応援するんでしょと横にきてがんばれーと声をかける妻の顔を思い出す。まさか同じ部屋で妻が出産することになるとは……。
 
なんてことが脳裏をよぎらせているうちに看護師さんがテキパキと落ち着いて準備を始める。
 
妻は声をあげずただひたすら集中をしている様子だ。
 
 
17:30
 
妻が分娩台にのって足を開くよう指示を受けている。最初から足を上にのせるのかと思っていたが、最初は違うよう。
 
妻、陣痛のピークに合わせていきむように指示をうける。
 
私は、妻がおへそをのぞくような体勢でいきめるように背中をぐっと支えて押すよう指示をうける(あとで妻に聞くと背中を押されていると踏ん張れるので結構意味があったとのこと)。
 
基本的には妻の表情をみていきむタイミングで助けるのだけれど、例のtoco値を表示するモニターもセットされているので、私もおおよそ陣痛のピークがいつ来るか判断ができる。妻の表情とtoco値をみながらその時を待つ。
 
 
うーんんんんんっっっ
 
すーーーーーーーはーーすーはー
 
うーんんんっっっ
 
すーーーーーーーはーーすーはーはー
 
 
陣痛のタイミングに2回から3回いきむ妻。どれくらい痛いんだろうか。想像できない…と、いきむことに集中していた妻が声をだした。
 
 
肛門押して!!!
 
 
陣痛の波がきたタイミングで肛門を強く押すと楽になるらしい(そういえば事前に買ったテニスボールは一切使わなかった……)。
 
看護師さんが準備で離れたときに肛門を押さえる仕事が増える。
 
 
18:00
 
十数回ほどいきんだあたりで、看護師さんがベッドの形を変え始めた。足を大きく開いていよいよ出産へラストスパートをかけるときがやってきた。
 
妻もそれを感じ取ったのか、目の奥に強い意思を感じる。さらに集中が増す。
 
 もう私ができるのは応援することだけだ。
 
どう応援すればいいのかわからないので、昔妻と一緒に通っていたジムのトレーナーの掛け声を思い出す。
 
 
うーんんんんんっっっ(頑張れ!いいよーいいよー!!)
 
すーーーーーーーはーーすーはー(すーはーすーはー)
 
うーんんんっっっ(よーしっ!!よーしっ!!)
 
すーーーーーーーはーーすーはーはー(今の良かったよ!!すーはーすーはー)
 
 
酸欠気味になると妻も赤ちゃんにもよくないので、呼吸を忘れないよう私も妻がいきむタイミングで息をとめて、その後、妻に聞こえるように大きな音で呼吸をする。
 
掛け声はこれであってるんだろうか……。試行錯誤しながら付き添う。こんなに全力で本気で人を応援したのは人生で初めてだ。
 
血が苦手な人はかなりダメかも知れないけれど私は平気な方なので、看護師さん側の様子も確認しつつ応援をしてみる。進んでいることをゴールに向かっていることを伝えることが大事なはず。
 
 
18:15
 
髪の毛が見えてきた!!!両親に似てフサフサ!!!
 
妻に伝えると、妻も更にゴールを意識し始めたよう。昨日の朝8時から34時間、苦痛の末にこれまでで一番の集中と覚悟の表情になっている。
 
 
うーんんんんんっっっ(よーし進んでるよー!)
 
すーーーーーーーはーーすーはー(すーはーすーはー)
 
うーんんんっっっ(いいよー!上手だ!進んでる進んでる)
 
すーーーーーーーはーーすーはーはー(すーはーすーはー)
 
うーんんんっっっ(もうひと踏ん張り!)
 
すーーーーーーーはーーすーはーはー(頑張った!すーはー)
 
 
1回の陣痛に3回いきみ。すごい頑張りの妻。うまくいきむと頭が少しずつ大きくみえるようになってくる。
 
30秒から1分でくる陣痛にあわせていきむ、それを繰り返す。黙々と繰り返す。あとから妻に聞くと、叫び声をあげるだけ無駄、とにかくいきむことに全身全霊を注ぎ込むために声は出さないようにしていたらしい。すごすぎる。
 
 
18:50
 
これまでいきみを繰り返すこと数十回。ついに頭の先端(あかちゃんは頭蓋骨をずらして頭を細長くしてでてきます)を看護師さんがつかめる所まで来た。
 
にわかに看護師さんたちが動き出す。
 
妻は小休止。エネルギーをためるためにストロー付きペットボトルで水を与える(入院から分娩までで一番活躍したグッズはストローホッパーキャップだったかも)。
 
ストローホッパーキャップ ピンク

ストローホッパーキャップ ピンク

 

 

主治医の先生が登場。少なからず外科的な処置が必要になるんだろうな、という雰囲気を察する。
 
頭が出たらあとはいきまずにね、と看護師さんから最後のアドバイス。
 
妻よもうひと踏ん張りだ!!!
 
 
 
……(ここからの5分は思い出せるほどの記憶なし)
 
 
 
えぁあえぁあえぁあ
 
妻に似たちょっとハスキーな可愛らしい産声が聞こえてくる。
 
さっきまでの苦悶の表情が嘘だったかのようなすっきりした顔の妻。その前にひょこんと登場する髪の毛がフサフサの元気な女の子。
 
妻&私「はぁ〜ほんとに入ってたぁ!」
 
そんな両親の第一声。 入院から約35時間。記録された分娩所要時間18時間。長い長い妻の頑張りおかげで我が家に家族が増えました。

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妻、辛いことが多かったけれど何とか乗り切れましたね。つわりから出産までよく頑張りました。ありがとう。 
 
 
というわけで、出産を待つ何もできなかった夫の記録。誘発分娩を行うケースは様々ですし、数時間で生まれる場合やもっとかかる場合もあります。そんな時に夫としてどうしたらいいのか、考える参考になればと思います。
 
 
その後、試行錯誤しながら楽しい子育てを満喫しています!よろしければご覧ください。
 

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