ちょろげ日記

日々のちょろっとしたことを

4歳児の論理力が伸びる瞬間を味わえるパズルゲーム「ラッシュアワー」

幼児と接していると、バージョンアップしたかも?という感じで、一つレベルが上った成長を実感することがあります。そんな中でも、最近おおっ!となったのが、「ラッシュアワー」で遊んでいるときでした。

 

ラッシュアワーって何?

ラッシュアワーは、パズル作家 芦ヶ原伸之さんが考案、アメリカのシンクファン社が1994年販売したパズルゲームです*1

シンクファン (ThinkFun) ラッシュアワー (Rush Hour) [正規輸入品] パズルゲーム

シンクファン (ThinkFun) ラッシュアワー (Rush Hour) [正規輸入品] パズルゲーム

 
シンクファン社のホームページでは「Skill: Logic and Problem Solving(論理と問題解決)」にカテゴライズされています。

www.thinkfun.com

 

ルールはシンプルで、次の通り。

  • 駐車場(6マスx6マスの盤)に車(1x2か1x3の大きさのコマ)を配置。
  • 車は前と後ろにしか動かせない(長い辺に平行な方向)。
  • 特定の車を駐車場から出すために、車をどういう順番で動かすか考える。
  • 車の初期配置が書かれたカードが40枚(40問)。

ちなみに、ラッシュアワーの対象年齢は8歳以上です。3,4歳には厳しそうなので、対象年齢5歳以上のラッシュアワージュニアで遊んでいます。こっちのほうが簡単な問題が用意されています。

 
 

はじめは指示通りに並べるところから

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こんな感じで、カードに描かれたとおりに車を配置していきます。ラッシュアワージュニアを買ったのは3歳11ヶ月ごろだったので、指示通り配置できたら十分かなぁ、と思っていましたが、ササッとできてしまったのでちょっと感動。

さてここからが本題です。ラッシュアワージュニアは、アイスクリーム屋さん(白い車)を駐車場から出す問題が40問用意されています。駐車場の出口は一箇所だけ。

例えば、下の問題。アイスクリーム屋さんが出口に向かって進むには、黄色いバスが邪魔です。でも、黄色いバスはもう一つの黄色いバスが邪魔です。さぁどう動かしましょう?という感じ。

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あれを動かすには、あれを動かして、あーして、こーして、がラッシュアワーの遊びのポイント。配置はあっさりできましたが、これはどうでしょうか。

娘「(車をもちあげて)そらをとびまーす」

……だめでした。車は前と後ろにしか進めないというルールでちょっとイライラしちゃうようです。そしてのそのまま、盤のそとで車をつかったおままごとへ……。  
 

論理力が発揮される瞬間

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そんな感じで、しばらくは本来の遊ばれ方がされないままの毎日が続きましたが、ある日のこと。

お母さん(むしろ一番ハマっている)がラッシュアワーに挑んでいる姿をみて、娘が「こうすればいいんじゃない?」とか詰め寄っています。

これはいけるかもと、問題1を試してみたらルールどおりやってる!どうやら親が本気で遊んでる姿を見せるのは効果的なようです。

でも、何をどう動かせばよいかまだ勘所がつかめていないみたいなので、手詰まった頃合いを見計らってちょっと誘導してみます。隣に座って、

私「アイスクリーム屋さんが前に進むには誰が邪魔?」

娘「これがじゃまー」

私「それも誰かが邪魔だよね、どうしよう?」

娘「これを動かしてー」

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おお、解きだした!

アイスクリーム屋さんを駐車場から出すためにじゃまな車をどう動かすか?という問題だと理解できたようです。そうなると、あとは車を動かす順番を試行錯誤していくのが考えどころです。

車をどういう順番で動かせばいいのか、ロジカルに一手、二手、三手を読んで順番を組み立てて実行している娘の姿を目の当たりにして感動してしまいました。

 

まとめ

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日常生活の中でも正しい順番を考えてそのとおり実行するという力を培う場はたくさんあると思います。料理をつくったり、先生の言う通り工作をしたり、とか。

でも、そういう日常生活でいつの間にか身についている力がググッと成長する瞬間ってなかなか気づけないですよね。

論理力というとちょっと大げさですが、子供の論理力が発揮される瞬間を実感したい方にはラッシュアワーはおすすめ!更にいうと、対象年齢よりちょっとまえの3,4歳の頃から遊ばせて、出来ないところから出来るようになる過程を見ると、はっきりと子どもの成長を感じることができておすすめです。

*1:芦ヶ原伸之さんは「あるなしクイズ(xxにはあってxxにはないのはなんだ?)」を考案された方だそうです

現代サンタクロースを生み出したのはコカコーラ社ではなかった

「お父さん、ちょっとお話が…」保育園へお迎えに行ったある日、園長先生が深刻な顔をして近づいてきて、何かあったかと思ったら、

「サンタやりません?」

と軽いノリで重めの依頼をいただきました。何が重いって、「本当のサンタさんがやってくる」という期待に応えないといけないですし、園児80人にバレないようにミッションをこなさないといけないんですね。何よりわが娘が目を光らせています。

一方で私はサンタ経験ゼロ……という状況で、無事にやり遂げることができたんですが、ちゃんとしたサンタ?になるべく調べていたら、現代サンタクロースのイメージについて勘違いしていたことがあったのでまとめておこうかな、という内容です。  

万人に通じる現代サンタのイメージ

依頼を受けて、どうしようかといろいろ調べた結果、サンタ衣装と伊達メガネと大量のひげで、中にダウンジャケットを着込んだらいけるでしょうと、変装したのがこちら。

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初サンタにしてはそれらしく変装できたような気がします(画像はやや加工してます)。保育園の子供たちにも「本物のサンタ!」と盛り上がってもらって、娘にもバレずにミッションコンプリートできました。

それにしても、サンタ役をやって初めてきづいたんですが、そもそもサンタクロースって誰でも変装しやすいデザインになってるんですね。万人にサンタだ!と通じる特徴を持っているおかげです。

いったい誰が生み出したんでしょうか?  

コカ・コーラ社が1931年に現代サンタを生み出した?

たしかコカ・コーラ社が絡んでいたような?と調べてみると、ホームページで以下のような記載がありました(太字は私が加工)。

サンタクロースは、4世紀ごろトルコに実在した守護聖人、聖ニコラスの伝説にもとづいた伝説上の人物です。クリスマスには欠かせないキャラクターとして広く知られていたものの、共通のイメージはなく、その姿は、愉快な老人の小人や妖精、恐ろしげな子鬼まで、さまざまに描かれていました。 
1931年、コカ・コーラ社のクリスマスキャンペーンのために、画家ハッドン・サンドブロムが描いたサンタクロースは、赤い服に白いあごひげをたくわえ、見るからに陽気で楽しいサンタロース。その人間味あふれる表情やしぐさは、たちまち人びとの心をとらえました。 
<省略> 
“白いあごひげに真っ赤な衣装の陽気なサンタ”。今でこそおなじみのその姿、実は画家ハッドン・サンドブロムがコカ・コーラ社のクリスマスキャンペーン用に描いた絵がきっかけになっています。

https://www.cocacola.co.jp/history_/story/santa

これだけ読むと1931年にコカ・コーラ社(画家ハッドン・サンドブロム)が現代サンタクロースを生み出したように受け取れます。

というか、はっきりと「現代のサンタクロースを生み出したのは、ハッドン・サンドブロムという名の画家でした。」と言い切っているページもありました。

真っ赤なビロードや白い縁取りのコートに白いふさふさのあご髭。陽気な笑顔のサンタクロースは、いまや、クリスマスに欠かせない存在ですね。 ところが、現在の私たちがイメージしているこのサンタクロースは、ずっと昔から存在したわけではありません。イメージを確立させてきたのは、そう、「コカ・コーラ」のクリスマス広告なんです。同時に、「コカ・コーラ」の広告を通して現代のサンタクロースを生み出したのは、ハッドン・サンドブロムという名の画家でした

「赤い服に白いヒゲ」のサンタクロースを生み出した画家の 貴重な作品アーカイブス!: The Coca-Cola Company

しかし、調べてみると「生み出した」という表現はどうもふさわしくないようです。  
 

コカ・コーラ社が現代サンタを生み出したわけではない、を裏付ける具体例

実は、「コカ・コーラ社が現代サンタを生み出したわけではない」ことを説明しているサイトはかなりあります。むしろ私が知らないだけで有名な話なのかもしれません。

例えば、ファクトチェック(事実検証)をまとめているスノープスというサイトでは「Did Coca-Cola Invent the Modern Image of Santa Claus?(コカコーラが現代のサンタイメージを生み出したのか?)」というお題に対して、「False( 嘘だと確証できる根拠が揃っている場合に使用)」という結論を掲載しています。

www.snopes.com

Although we can identify some of the most influential sources who contributed to the formation of the modern Santa Claus figure (such as writers Washington Irving and Clement Clarke Moore, historian John Pintard, and illustrator Thomas Nast) no single person or institution can lay claim to having created him(適当意訳:現代のサンタイメージに影響を与えた人たちはわかるけど、誰か1人と特例できるわけではない)

The red-and-white Santa figure existed long before Coca-Cola began featuring him in print advertisements, and he had already supplanted a bevy of competitors to become the standard representation of Santa Claus before he began his tenure as a pitchman for Coke(適当意訳:現代サンタのイメージはコカコーラが広告で使う前から存在しました。それに、サンタがコーラを宣伝するより前に、すでに同じように広告に使われることもあったのです。)

それでは、コカ・コーラ社の主張が間違っていると証明できる事実はどのようなものでしょうか。  

例えば、Wikipediaのサンタクロースのページで、「サンタクロースの姿・特徴」や「コカ・コーラにまつわるデマ」を読めば、具体例つきで手っ取り早くコカ・コーラ社の主張が間違っていることがわかります。

サンタクロース - Wikipedia

が、せっかくなのもうすこし具体例を追ってみたいと思います。なお、以降で現代サンタ率xx%と書いているのは完全に私の主観です。  
 

1809年 現代サンタ率1%

まず、サンタクロースという呼称とともに現代サンタの基礎イメージが生み出されたタイミングについて。

サンタクロースは、セント・ニコラスがモデルになったと聞いたことはありますが、どうしてサンタクロースという呼称になったんでしょうか。

セント・ニコラスをオランダ語読みするとシンタクラース となります。オランダでは14世紀ごろからセント・ニコラスの命日にシンタクラース祭を行う慣習があり、その外観はこの通りでした。

Sinterklaas 2007.jpg
By Gaby Kooiman, CC BY-SA 3.0, Link

シンタクラースは、老齢の、威儀正しい、謹厳な人物で、白髪と顎全体を覆う長いあごひげをもつ。 伝統的な白の僧正のアルバ (衣服)(祭服)の上に赤い長ケープ(カズラという)をまとい、赤いストラを付けることもある。 シンタクラース - Wikipedia

その後、オランダ人入植者がアメリカ大陸へシンタクラースの慣習を持ち込み、そのうちにアメリカナイズされて、英語読みのサンタクロースになったそうです。サンタクロースという呼び方自体は1773年には登場していたとのこと。

そして、サンタクロースという名称がシンタクラースのイメージから切り離されるきっかけが登場したのは1809年。Washington Irving(スノープスの記事で影響を与えた1人とされる)が、サンタクロースの新しいイメージを生み出します。

In January 1809, Washington Irving joined the society and on St. Nicholas Day that same year, he published the satirical fiction, Knickerbocker's History of New York, with numerous references to a jolly St. Nicholas character. This was not the saintly bishop, rather an elfin Dutch burgher with a clay pipe. (適当意訳:1809年にWashington Irvingが陽気なセント・ニコラスに言及した風刺作品「 Knickerbocker's History of New York」を発表した。セント・ニコラスは聖なる司教ではなく、陶製パイプをくわえた「elfin Dutch burgher(妖精のようなオランダ市民)」としてえがかれた。)

St. Nicholas Center ::: Origin of Santa

「elfin Dutch burgher」の訳は適当ですが、少なくともシンタクラースからは離れたイメージであることがわかります。ただ、離れたといっても、この時点では現代サンタの要素はまだ生まれていなかったようです。

また、ここで面白いのが、Washington Irvingはサンタクロースの描写をオランダ入植者・文化の風刺作品の一環で描いたところです。言ってみれば現代サンタは風刺から生み出されたとも言えそうです。

 

1821年 現代サンタ率10%

その後、Washington Irvingの発想の延長線上でこんな感じのサンタも登場していたようです。

The Children's friend. Number III. A New-Year's present, to the little ones from five to twelve. Part III (1821), page 1.jpg
By Unknown - The Children's friend. Number III. A New-Year's present, to the little ones from five to twelve. Part III (1821), page 1. Available online at Beinecke Digital Collections, Yale, Public Domain, Link

 
シンタクラースの老齢、ひげ、赤い長ケープという要素に「elfin Dutch burgher」感がミックスされた姿といわれればそうとも言えそうです。ただ、まだまだ現代サンタらしくはありません。  
 

1823年 現代サンタ率30%

1823年、ついに現代サンタの土台となるイメージが生み出されます。

この年に発表された「A Visit from St. Nicholas(サンタクロースがきた)」という詩(作者は諸説あって Clement Clarke MooreかHenry Livingston Jr.のどちらか)に登場します。詩なので文章のみですが、どんなイメージだったかというとこちら。

頭から足まで、毛皮の服を着て、それが灰とススにまみれていた。

後ろにはおもちゃを沢山背負って、包を開く前の行商人のようだった。

目が光っていて、えくぼが幸せそうで、頬は紅色で、サクランボみたいだった。

小さな口を弓のようにして、あごには雪のように白いヒゲを生やして、歯にはパイプをきつくかんで、煙が花輪のように頭をめぐっていた。

サンタさんの顔は広くて、丸いお腹は笑う時に震えて、ジェリーが入ったボウルのようだった。かわいく太っていて、愉快な妖精のようだった。

サンタクロースがきた - Wikipedia

毛皮の服をきて白いひげで太っている、このあたりの表現が以降のサンタイメージの土台となるっていったようです。パイプでタバコをくゆらせるようなイメージは淘汰されていったみたいです。

 

1868年 現代サンタ率50%

少し時間をおいた1868年。この頃には50%ぐらいは現代サンタじゃない?と思わせるサンタが登場しています。シュガープラムというキャンディーの広告に登場するサンタです。

Santa Claus Sugar Plums, 1868.png
By U.S. Confection Co., N.Y. - This image is available from the United States Library of Congress's Prints and Photographs division under the digital ID cph.3g02275. This tag does not indicate the copyright status of the attached work. A normal copyright tag is still required. See Commons:Licensing for more information., Public Domain, Link

また、早々に広告に使われているあたり、贈り物を届けるというキャラクターの使い勝手の良さが現れています。世界的なキャラクターになっていく片鱗がうかがえます。  
 

1881年 現代サンタ率70%

そして、1881年には「A Visit from St. Nicholas(サンタクロースがきた)」をもとにThomas Nast(この方はスノープスの記事でも影響を与えた1人として挙げられていました)作のサンタクロースが発表されます。これは70%は現代サンタと言えるんじゃないでしょうか。

Santa's Portrait TNast 1881.jpg
By Thomas Nast - 'Santa's Portrait' byThomas Nast, published in Harper's Weekly, 1881 Photo image obtained/rendered by Gwillhickers., Public Domain, Link

 

1901年 現代サンタ率95%

そして、1901年、1902年頃。PUCKという雑誌から、ほぼ現代サンタのイメージが出来上がっていることがわかります。

Puck Christmas 1901 LCCN2010651489.jpg
By Miscellaneous Items in High Demand, PPOC, Library of Congress - Library of Congress Catalog: https://lccn.loc.gov/2010651489 Image download: https://cdn.loc.gov/service/pnp/ppmsca/25500/25586v.jpg Original url: https://www.loc.gov/pictures/item/2010651489/, Public Domain, Link

Santa1902PuckCover.jpg
By Frank Arthur Nankivell - This image is available from the United States Library of Congress's Prints and Photographs division under the digital ID ppmsca.25693. This tag does not indicate the copyright status of the attached work. A normal copyright tag is still required. See Commons:Licensing for more information., Public Domain, Link

ちなみにPUCKは、風刺雑誌だそうです。生み出されるきっかけがWashington Irvingの風刺だったことを考えると、このサンタは正統進化したサンタクロースなのかもしれません。  
 

1914年 現代サンタ、日本へ

ちょっと面白いのが、日本にも1914年には現代サンタが伝わっている点です。日本の子供雑誌『子供之友』からそのことがわかります。

1914 Santa Claus.jpg
By kodomo no tomo - kodomo no tomo, パブリック・ドメイン, Link

   

1918年 プロパガンダに使われるほど浸透

また、広告だけでなくプロパガンダとしても使われていた歴史があるようで、1918年の第一次世界大戦ではこんなサンタも登場しています。でも、イメージは現代のサンタそのものです。

"Peace. Your Gift To The Nation. A Merry Christmas." - NARA - 512601.jpg
By Unknown or not provided - U.S. National Archives and Records Administration, Public Domain, Link

 

1920年 現代サンタ率100%

Norman Rockwellによる画風は少しこれまでの系統と違いました。自身の1913年の作品ではこれまでの他のサンタと同様にやや漫画チックな表現でしたが、

1913-12-Boys-Life-Norman-Rockwell-cover-Santa-and-Scouts-in-Snow-400.jpg
By Norman Rockwell - http://www.best-norman-rockwell-art.com/norman-rockwell-boys-life-cover-1913-12-santa-and-scouts-in-snow.html, Public Domain, Link

1920年には妖精というよりは人間のおじいさんがベースのサンタクロースが描かれています。

1920-12-04-Saturday-Evening-Post-Norman-Rockwell-cover-Santa-and-Expense-Book-no-logo-400-Digimarc.jpg
By Norman Rockwell - http://www.saturdayeveningpost.com/2015/12/02/art-entertainment/art-and-artists/santa-claus.html, Public Domain, Link

1922年も同様に人間味あふれるサンタクロースが登場しています。

1922-12-02-Saturday-Evening-Post-Norman-Rockwell-cover-Christmas-Santa-with-Elves-no-logo-400.jpg
By Norman Rockwell - http://www.best-norman-rockwell-art.com/norman-rockwell-saturday-evening-post-cover-1922-12-02-santa-with-elves.html, Public Domain, Link

身体的特徴だけでなく温かい人柄を感じる、という背景まで描かれたサンタはまさに現代サンタクロースと言えそうです。  
 

1931年 コカ・コーラ社が現代サンタを生み出す?

という流れから10年後の1931年。

現在の私たちがイメージしているこのサンタクロースは、ずっと昔から存在したわけではありません。イメージを確立させてきたのは、そう、「コカ・コーラ」のクリスマス広告なんです。同時に、「コカ・コーラ」の広告を通して現代のサンタクロースを生み出したのは、ハッドン・サンドブロムという名の画家でした

うーん……。    
 

まとめ

現代サンタの定着に一役買っているのは間違いない事実だと思いますが、「コカ・コーラが1931年に現代のサンタイメージを生み出した」かどうかというと、ちょっと違うのではないかな、という印象です。

個人的には、現代サンタは複数の人が段階的にイメージを膨らませて生み出されてきた(諸説あります)、が結論です。

調べてはいませんが、おそらくコカ・コーラ社の功績はアメリカ以外へサンタクロースの共通イメージを広めたことではないでしょうか。

Washington Irvingがシンタクラースをアメリカナイズしてから、サンタクロースはアメリカの文化の中で育まれてきました。一方で、ヨーロッパなどではサンタクロース的なポジションはシンタクラースであったり、ファーザークリスマスであったり、クリストキントであったり、と様々だったようです。

ファーザークリスマス(イギリス、フランスなど多数)

Postcard of Father Christmas with two children
By Unknown - TuckDB Postcards, PD-US, Link

クリストキント(ドイツ南部、オーストリア、スイス、ハンガリー、チェコ、スロバキアなど)

Lustige Geschichten und drollige Bilder für Kinder von 3 bis 6 Jahren 03

ジェド・マロース(ロシア、セルビアなど)

Ded Moroz 72.jpg
By Sergeev Pavel - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link

Olentzero(スペイン バスク地方)

Olentzero Hendaia 2006.JPG
By Josu Goñi Etxabe - nik egina, own work, Public Domain, Link

 
これらの文化が残っている地域もあるようですが、そういった地域も含めて世界的にサンタクロースの共通イメージを通じるようにした、ことにコカ・コーラ社が貢献しているとすれば、それはとても素晴らしい功績だと思います。そのおかげで私もこどもたちに笑顔で手をふってもらえましたし。

ちなみに、現代サンタを生み出したのがコカ・コーラ社であるという説は根強く残りそうです。

諸説あります的なノリなので、テレビ的に好きそうなお題ですが、コカ・コーラ社のポジションを考えるとその主張に難癖つけるようなネタをメディアが大っぴらに取り上げるとは考えにくいからです。

そんなわけで、来年もサンタクロースの大役がきたら、ひそかに先人の創造力に感謝しつつ、バレずに子どもたちを喜ばせるミッションを楽しみたいと思います。

ピザの耳を食べないイタリア人、ピザの耳しか食べない3歳児

洗濯やら掃除やら子どもの習いごとやらしていると土日があっという間に過ぎ去ってしまって、疲れてもう何も考えられない晩ごはんどうしよう、と夫婦で顔を見合わせる日曜の夜がたまにある。

そんなときに宅配ピザをよく使います。風呂に入って食べて寝るだけ!の状態にしたころに届くピザが最高。

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ところで、ピザの耳を食べないイタリア人もいるとか。

本場イタリアでは耳を残す人が普通にいて、決してNGというわけではないらしい

ピザの耳は食べずに残すものか そんな論議がネット上で盛り上がる : J-CASTニュース

本当なのかよくわかりませんが、明らかなことは一つあります。

わが家の3歳児はピザの耳しか食べない。

どうも具がいろいろのってるのがだめらしいです。好きな食べ物はうどんとおにぎりのプレーン好き、こと食に関しては慎重派なので娘らしいといえば娘らしい。

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なので、これならいけるだろうとプレーンピザを頼んでみたんですね。

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だめでした。耳しか食べません。

でも、大きくなったらそのうち真ん中も食べるようになるだろうし、まぁいいかな、というのがわが家のゆるい方針です。

それに娘なりにピザの耳を楽しんでいるようで新しい食べ方を生み出していました。

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ピザの耳にちぎり海苔を添えて。

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美味しいらしいです。結構耳は歯ごたえがあるので顎が鍛えられていいかも。

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最終的には交互に食べてました。ややおっさんっぽいですね。

こんな感じにピザは耳を食べるのが通なんだよ、とでも言ってるような3歳児をみてますと、本当に耳を食べないイタリア人っているの?と疑問がふつふつと浮かんできたので調べてみました。

 
ちなみにピザの「端・エッジ」はイタリア語では「bordo」というようですが、「耳」のような感じの言い方ははいくつかあるみたいです。イタリア版ヤフー知恵袋?で調べてみると、どうも地方によって呼び方が違うらしい。

ナポリ:cornicione  コルニチョーネ

ミラノ、トリノ、ボローニャ:crosta クラスト

レッチェ:bordino  

Come si chiama il bordo della pizza?Crosta,come dicono a Milano,cornicione (Napoli) o bordino (Lecce)? Grazie! | Yahoo Answers

地方によって作り方などで見た目も違っているから、呼び方も変わるのかもしれません。なかなか面白い。  

で、ピザの耳を食べないイタリア人はいるのか。またまたイタリア版ヤフー知恵袋を出典にするという曖昧さですが、「あなたはコルニチョーネ食べる?」という投稿を見つけました(ということはこの人はナポリの人なのかもしれない)。

ma voi, quando mangiate la.....................? | Yahoo Answers

2009年なのでけっこう古い投稿ですが、ざっくりまとめると

  • もちろん食べるよ
  • めっちゃサクサクなら食べるよ
  • 焦げているかどうかによるよ
  • お腹が空いてたら食べるよ
  • 好きじゃないから食べないよ

などなど、……ピザの耳を食べないイタリア人は普通にいるようです。というか、人それぞれってだけの話ですね。  

 
というわけで、妻と私が真ん中を食べて娘が耳を食べるわが家のピザの食べ方の話でした。

#ピザが食べたい #ピザの耳が食べたい

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3歳児にマイカメラを持たせるとお散歩が楽しくなる

ちょうど1年前、娘が3歳になった頃にカメラを買ってみました。

まわりをよく観察する性格だから、マイカメラがあったら楽しんでくれるかも?という安易な考えのわりにちゃんとしたカメラを買ったものの、当初は娘もうまく使いこなせず……いろいろあって、やっぱり買ってよかった!というお話です。
 

買ったカメラは「ニコン COOLPIX W100」

こちらのニコンの機種。

 
普通に大人も使えるデジカメなので、お値段もそれなり。なぜ3歳にこのカメラを選んだかというと、以下を重視したからでした。

  • 気に入ったら長い間愛用してほしい(トイカメラだとちょっと遊んで飽きそう)
  • 幼児でも持ち運びしやすい大きさ
  • 防水
  • デザインがかわいい

が、なんということでしょう、娘はシャッターボタンが押せなかったのです。

人差し指の力が足りない、手が小さくて両手でカメラをしっかり持てない、という感じでどうもうまくいきません。もう少しシャッターが軽ければよかったのかも。

こりゃお蔵入りか……と思いましたが、娘の目に入る場所にさり気なく置いたりと、いじりたくなるまで気長に待つことにしました。  
 

3歳3ヶ月頃からシャッターが押せるように

変化があったのは2、3ヶ月経ったある日のこと。「ワン!」という音が!そうそう、このカメラはシャッター音を「ピヨピヨ」とか「ワン!」とか、かわいい音に変更できるのです。

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はじめての被写体がリラックススタイルのお父さん!ありがとうございます。

すごい!シャッター押せた!相変わらずしっかり持てないので押し込みのときにがっつりと手ブレしますが初撮影成功です。

こうなると気ままに好きなものをとる習慣がついてきて俄然楽しくなってきます。

今日はなに撮ったの?

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秋に収穫して保存していた(していたのか!)どんぐり自慢。画像と実物を並べて。

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きれいに貼れたシール。実物もみましたよ。

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最近好きなせんべい。実物はもうありませんでした。

 

3歳8ヶ月ごろ、ブレずにとれるように

と、こんな感じのマイカメラのある生活からさら数ヶ月ほど経ったある日。「とれたよー!」とダッシュしてくる娘。観てみると……

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娘、空前の鬼太郎ブーム(第5期)のさなかの一枚

オイ!ムスメ!ブレてない!ついに、カメラをしっかりもってシャッターを押せるようになったようです。力がついて大きくなったんだなぁとマジマジと娘の手をみてしまいました。

それからしばらくは、鬼太郎やアンパンマンの娘的名場面ショットを見せてもらう毎日が続きます。

ここだ!と思った瞬間には画面が変わっているので、意図したシーンは撮れないんですが、結果的に、撮りたい瞬間をねらってカメラをサッと構えて撮る!という動作の訓練になったのかも。

 

3歳10ヶ月ごろ、お散歩カメラデビュー

プリキュアの変身シーンを激写している娘を見ながら、3歳でも普通にカメラ撮るんだなぁ、と思ったある日のこと。お出かけするけどカメラ持ってく?と誘ってみると「いくー!」とキラキラした目で張り切る娘。

それならさらにテンションをあげていただこうと、カメラに合いそうなストラップを探してこんな感じでおでかけすることにしました。

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めちゃかわいい。小さい人が大人と同じような格好していると盛り上がります。

安全装置付きの携帯ストラップ(引っかかっても首が閉まらないようにパチッと分離する)が2つあったので、組み合わせてカメラストラップにしています。

 
カメラの操作自体はもう慣れていて、撮りたいものを決める→電源入れる→シャッター押す、まで子どもなりにスムーズにできます。

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とはいえ、3歳児です。撮るときはお父さんに言って、お父さんが周りを確認してから撮ってね、とお約束。

 

娘のお散歩カメラ作品

どんな写真を撮っているかというと、たまたま大宮に連日行ったのでその時の写真をいくつかご紹介。 
 
大宮駅エキュートで「あれ撮りたい」と娘。駅弁ぐらいしか撮るものなんてないぞ?と周りを見渡すと、上を指差しています。

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ワン!

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娘お散歩カメラ作品「エキュートの天井の穴」

「ここだけなんで天井に穴が空いてるの?」たしかにここに穴が集中していて他と違います。というかまったく気が付かなかった。3歳は目線が下ばかりだと思っていましたが、天井に目を運んでるとは。

よくみると照明がでているようなので、もしかしたら明かりの位置を変えやすいようにしてるんじゃないかなと答えると、「明かりの位置を変えやすいようにしているのかもしれない」と自分の意見かのように繰り返す娘。この繰り返すパターンのときはわりと納得したときです。

 

大宮高島屋にあった足型が敷かれたエリア。「なんで足がいっぱいあるんだろうね。」あまりサッカーは詳しくないので有名な人達の足みたいだよ、好きな足を撮ってみたら?と答えると、

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ワン!

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娘お散歩カメラ作品「気に入った足」

娘は、なにか選ぶときはあれもこれもと迷わずにパッと1つだけ決めてきます。このときも(なんで好きな足を選んでるんだという話もありますが)、「この足にする」と、パッと決めてパッと撮っていました。娘の性格だなぁ、としみじみ。

 

次は大宮高島屋の地下食品売り場。そこで「これ撮る」といって撮ったのは、おでんの食品サンプルでした。

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ワン!

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娘お散歩カメラ作品「おでんの食品サンプル」

大人だと見下ろす食品売り場も、3歳児視点だとこんな感じなんですね。このあと抱っこして上からじっくりおでんサンプルを観察しました。

 
カメラが楽しいのか、いつもならそろそろ「だぁっこぉぉ」としがみついてきそうな頃合いでも、自分からぐいぐい進んでいってくれます。次は道端で「これ撮る」とみつけたこちら

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ワン!

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娘お散歩カメラ作品「きれいな看板」

今度は見上げる視点の違い。大人の視点からと3歳児の視点からではちょっと形が違ってみえるものもあるようです。意外と見え方が違うせいでコミュニケーションが取れていないときがあるのかもしれません。

 

続いて、散歩中のひと休みでたべたおまんじゅう。「美味しかったのでお母さんに教える」といって撮影。

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娘お散歩カメラ作品「おかあさんに教えたいおいしいまんじゅう」

お店の方が、自分で撮れるの?と驚きながら、よかったら写真撮ってねとわざわざ並べてくれました。カメラがいつもと違ったコミュニケーションをとるきっかけになったのが良かったです。

 
他にもたくさん写真をとっていますが、わりと上を見上げるような写真が多いのが意外でした。

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娘お散歩カメラ作品「クレーンいっぱい」

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娘お散歩カメラ作品「ひこうきぐも」

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娘お散歩カメラ作品「お父さんのかげ」

 

約1年と気長な仕込みが必要だっだり、3歳にはちょっと高い買い物かもしれませんが、カメラを通じて娘の成長を感じることができたのがとても良かったです。

いまのところ娘も写真を撮るのが楽しいみたいなので、これからもカメラを通じた発見や成長もありそう。

というわけで、買ってよかった子どもカメラのお話でした。

今週のお題「2018年に買ってよかったもの」

 

tyoro-ge.hatenablog.com

3歳児が「OK Google YouTubeで筋肉体操を流して」と追い込んでくる

タイトルのまんまなんですが、我が家の娘(3歳)が「OK Google YouTubeで筋肉体操を流して」なんて覚えちゃいまして、毎晩追い込まれています

 

子どもってすごいですね。最初の頃はGoogle Homeには???でしたが、いつのまにか親の見よう見まねで「OK Google 明日の天気は?」とか「OK Google テレビを消して!」とか話しかけて、そういうものとして使っています。

液晶はとりあえずタッチして操作しようとしますし、「そんなことができるの!どう使うの?覚えなきゃ!」が「そういうもの」として身についちゃっているのは何というか強いなぁと思います。
  

そして強いといえば筋肉体操。

 
たまたま娘の前で流していたら一緒に頑張るのが楽しかったようで、「今日は筋肉体操やるよね?」とせがんでくるようになりました。それがいつの間にかバージョンアップしまして、

娘「今日は筋肉体操やるよね?」

私「今日はやらないよー」

娘「OK Google YouTubeで筋肉体操を流して」

となったわけです。強制筋肉体操。

 

しかし、筋肉体操はすごいですね。たった五分でも本当に追い込まれます。でも3歳と一緒だともっと追い込まれます。

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最初はとなりでそれっぽいことやってるんですが、この3歳児がさらに追い込んでくるんですね。

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はい、だいたいこうなります。3歳児は横になっている父をみつけると上にのってくる生き物なので仕方がありませんが、自重でもキツイ貧弱なお父さんにはとても15kgの荷重には耐えられません。けど、ふざけたことにこの態勢で応援してくるんですね。「お父さんがんばれー」とか言われちゃうと頑張っちゃうのでめちゃくちゃ追い込まれます。  
 
当然スクワットもこうなります。  
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でも、集中してやりたいときはちょっとやめてほしいので、やや怒り気味にやるなら娘も一緒にやりなさい!と言うと

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意外とちゃんとやったりするので侮れません。本当に幼児の適応力の高さには驚かされます。 
 
 
というわけで、どうも自重では追い込めないという方はご家庭のGoogle Homeと3歳児を使ってみてはいかがでしょうか。

娘「きんにくはうらぎらない」 f:id:tyoro_ge:20181111220628j:plain