憧れの桃とモッツァレラのサラダを元祖レシピで食べてみた
妻の夏の大好物といえば桃です。私の母@長野に伝えてからは毎年大量の桃が届くようになりました。
ちなみに、長野は桃の出荷量が全国3位なんです、ご存知でしたか?(私は知りませんでした…)
平成26年産もも、すももの結果樹面積、収穫量及び出荷量(農林水産省pdf)より
ところで、農林水産省の収穫量統計のグラフは果物の種類にあわせて色付けされているんですね。美味しそうですね。
平成26年産日本なし、ぶどうの結果樹面積、収穫量及び出荷量(農林水産省pdf)より
母からは桃を栽培・出荷している友人経由で出荷用ダンボール箱に入ってどーん、と届きます。
その数30個、私と妻の二人ではさすがに簡単に消費できません。ももの1世帯当たり年間の購入数量はだいたい8個*1なので、うちは3倍食べることになります。
平成26年産もも、すももの結果樹面積、収穫量及び出荷量(農林水産省pdf)より
生後7ヶ月目の桃尻娘は戦力になりませんし、さて、どうしましょう、というところで、去年のある記憶が思い浮かびました。
憧れの桃とモッツァレラのサラダ
昨年、ネットでひと盛り上がりしていた桃とモッツァレラのサラダ。知ったのが桃の季節を過ぎてからなので試せなかったんです。
料理家の内田先生が「洋風料理 私のルール」という本を2007年に出版、その後友人の方がブログでレシピを公開してツイッターで毎年宣伝、そのかいあってから2014年にツイッターで火がつき、それをまとめサイトがまとめてフィバー…と、今時な流行り方をしたようです。
流行した結果、「リッツビッツサンド桃モッツァレラ」というギリギリの商品も出ていたそうですが、こちらはそれほど話題にはならなかったようですね…。
内田先生のレシピ本を買う
せっかくなので元祖のレシピを知りたいと思い、レシピ本を買っちゃいました。
- 作者: 内田真美
- 出版社/メーカー: アノニマスタジオ
- 発売日: 2007/11/24
- メディア: ?行本-平装
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妻&私「あ、これおいしいそう、これはまちがいない、こんなんうまいにきまってる、つくってみたい」
内田先生の「この本はあくまで、私のルール」というコンセプトの通り、ちょっとおしゃれで風変わりなレシピが、見てるだけでヨダレがじわーっとでてくる魅力的な写真とともに並びます。
しかも、料理のいろはもわからない私でも作れそうなシンプルなレシピが多いので、試してみたくなるものがたくさん。
白ぶどうとカブのサラダ、焼きカリフラワーレモンピール風味、れんこんのアンチョビバター焼きは絶対に作るぜ、と心に誓いました。
お手軽すぎるレシピ「もしもしオレ」
さて、レシピは至極簡単なのですが、私のように日頃料理をしないのにたまに美味しいものを食べたくなってメモらなくてもわかるからとスーパーに買いに行って一品買い忘れてくる意識高い系食いしん坊でもしっかり覚えられるように並べてみました。
- モッツァレラ
- しおコショウ
- もも
- しろワインビネガー
- オリーブオイル
- レモンの皮
「もしもしオレ」騙されたと思って食べてみろ的な料理にふさわしいのではないでしょうか。まぁ、こんなんしなくても覚えられますね…。
食材がそろったらあとは、切ってかけて喰らえ。レベルを上げて物理で殴れ的なシンプルな手順なのですが、レシピ本どおりにやるならば、次のとおり(上の画像の食材を右回りに使う)。
- モッツァレラを一口大に手でちぎる
- 桃を一口大に乱切り
- オリーブオイルを回しかけ
- 千切りにしたレモンの皮を散らす
- 白ワインビネガーを回しかけ
- 塩、コショウをふる
とはいえ、2日連続で試行錯誤してみましたが、ぶっちゃけ順番とかこまけーことはいいんだよの世界のようです。
強いて気にするなら、モッツァレラをちぎること、癖のないオリーブオイルを選ぶこと、白ワインビネガーの自分好みの量把握すること、ぐらいでしょうか。あと、我が家にはレモンゼスターなんてなかったので、皮をピーラーで薄く剥いてから千切りにしてみました。
憧れの桃とモッツァレラをいただく
妻「さっぱりしてて、おいしい。果物なのにデザートではない、サラダだね。前菜にぴったり。桃がこんなに乳製品のコクとあうとは驚き。桃一個にモッツァレラ一個でちょうどいいかもね。」
妻の評判も上々。レモンの風味、桃のジューシーさとモッツァレラのミルキーさの絡み合い、ビネガーの酸味と塩コショウが全体を引き締め。こんなにお手軽なのにこれだけ深みのある味が出せることに驚きです。
ビネガー(酢)が味にしまりを与えるのは料理の基本なんですね。勉強になりました。
酸性の度合いを表すものにペーハー(pH)があります。7が中性、7より小さければ酸性、大きければアルカリ性です。どんな食品にもそれぞれに固有のpHがありますが、一般に、おいしく感じられるのは弱酸性のpHが4~6の間で、pH8になると味がぼやけ、pH3になると酸味を感じるようになるといわれています。酢のpHは2.5~3.5、レモンやスダチやカボスなど料理に使われる酸味の強い柑橘類の天然果汁もpHは2.5前後と強い酸性です(図表3)。これらを料理に少量加えることで、料理全体のpHが下がり、驚くほど味がしまって感じられるのです。おいしい酸味/味を左右するpH|酸味(3/5)|ニッスイ企業情報サイト
昨年のツイッターの評判を見返すとちょっと盛り過ぎなコメントもあるように感じましたが、桃をそのまま食べるのに飽きたという人や、デザートよりつまみ!という方にはピッタリの料理ではないでしょうか。
毎年大量の桃在庫をかかえる我が家では、間違いなく夏の定番料理になりそうです。
ためしてみたいこと
せっかくなので、より美味しくいただくために試してみたいことが1つあります。
ひとつは桃を直前に冷やす方法。
砂糖は温度にかかわらず甘さがほぼ一定ですが、果糖は低温では甘く、高温では甘さが減少します。フルーツを冷やして食べると甘さが増しておいしくなるのはそのためです。温度や時間で変化する甘味|甘味(2/5)|ニッスイ企業情報サイト
スクロース(ショ糖)をはじめ他の糖溶液の甘味は温度によってあまり変化しないのに対して、果物やシロップ・清涼飲料水に含まれる異性化糖中のフルクトース(果糖)の甘味は温度によって大きく変動することが知られています。果物を冷やすと甘く感じるのは気のせいではない - 夜食日記
食前30分前に冷蔵庫で冷やしてください、なんて書かれていることがありますが、ちゃんと理由があるんですね。桃自体にどれだけフルクトース(果糖)が含有されているかわかりませんが効果はありそうです。
もう一つはレモンの保管方法&すりおろし方法。
凍らせたまま、おろし器で、すりおろします。すると、レモンがこなごなの黄色い粒に!元々は保存用に冷凍庫に入れていたレモンを、上手く料理に使えないかと編み出されたこの方法。この冷凍レモンのすりおろし、油胞が全部つぶれるので、シトラールが全部取り込めます。さらに味を分析してみると、酸味が普通の果汁に比べてまろやかに。そして、レモンは普通に加熱すると、皮が苦~くなるのですが、この方法だと、苦みがあまり出ない事も分かりました!みそ汁もラーメンも!レモンで激うまにする本気の裏技 : ためしてガッテン - NHK
レモンゼスターがないので余計な部分も削ってしまうのか、レモンの皮は若干の苦味が出てしまいました。凍らせてまるごとすりおろしなら、手軽ですし保存も簡単、もしかすると苦味も軽減されるかもしれません。
ということで、残った桃を使って我が家のルールを模索してみたいと思います。
今週のお題「夏の食事」
*1:資料ではグラム単位なので、平成26年度の1634gに対して1個200gとして個数換算