京都の美味しいもの、あるいは日の出うどんの思い出
出産を前に二人っきりの旅行はしばらくないかもねぇ、と妻と行った京都のお話。
寺巡りと食べ歩きの旅、美味しいものを食べっぱなしの3泊4日でしたが、とくに南禅寺の近くにある「日の出うどん」の印象が強く残ります。
きのう何食べた?で日の出うどんを知る
京都旅行に行くにあたって、参考にした漫画があります。
妻と愛読している、よしながふみさんの「きのう何食べた?」です。とても魅力的な料理がたくさんでてくる漫画です。
- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/12/03
- メディア: コミック
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8巻で京都へ行く回があるんですが、そこで出てくる料理がまぁうまそうなこと。
そんなわけで、京都の旅は漫画に出てきたお店を中心にガツンと食べて、あとは流れでお願いします的なプランとなりました。
そのお店のひとつが「日の出うどん」だったのです。しかも、有名なのが京都のイメージとはかけはなれた?カレーうどんだそうで、とりわけ気になるお店でした。
ちなみに登場した飲食店・お宿はこちら。
- 日の出うどん
- スマート珈琲店
- 俵屋
- はつだ
腹減りのピークに日の出うどん
流れで適当にといいつつも、入念な計画を立てたい妻に、ためしにTriplineというWebサービスを使ってみようと提案して旅行計画をたてました。
そして、立てた計画がこちら。上の記事のブックマークコメントで無理があるとご指摘頂いた通りのなかなかのハードスケジュール。
三千院でお昼を我慢して我慢して、南禅寺付近まで移動してからの、日の出うどん。空腹にカレーうどんを喰らうという、あえてのハードスケジュールなのです。
はつだの焼き肉弁当で高まる期待
上の計画は旅行二日目のもので、初日は京都から奈良へ行き、東大寺や興福寺などなど奈良のお寺めぐりをする計画でした。
そして、京都駅から近鉄奈良駅への道中は、きのう何食べた?に登場した「はつだの焼き肉弁当」を食べるという贅沢。
肉とタレの絶妙な旨味が口いっぱいに広がり、香ばしい炭火の香りが鼻に抜ける。うまい。こんな牛肉弁当食べたことがない。まさに焼肉専門店のお弁当。
想像以上のうまさ。同じ漫画で紹介されている日の出うどんへの期待も高まります。
京都の朝は、イノダコーヒの香りから
初日の勢いのままについに日の出うどんの二日目。
Triplineで立てた計画通り、モーニングを食べにイノダコーヒーへ。ここは漫画には出てきませんでしたが、妻のリクエストなのです。
妻いわく「京都のコーヒーカルチャーを味わう場所」だそう。
長屋風の入り口からお店に入ると、なんとも雰囲気のある空間が広がっていました。
ほどよく空間をとったテーブルが並ぶ落ち着いたフロア、愛らしいオウムが出迎える通路、創業当時の面影が残るレトロな客室などなど。
私はこちらの創業当時(てっきりこっちの客室はお客さんをいれないのかと思ってました。)の雰囲気が残る客室でモーニングをいただきました。
なんて優雅な朝なんでしょう。
はじめからミルクと砂糖が入っているイノダコーヒー(一応ブラックにするかどうか聞かれます)をいただいて、にんまりと満足顔で次の目的地へ向かいます。
大福界の王、出町ふたばの豆大福
ついた場所がこちら、出町ふたば。下鴨神社へ向かう前におやつとして、豆大福を仕入れる計画なのです。
朝から20人近くの人が行列を作っています。観光客より地元の方が多い印象。
どんどん作られていく豆大福たち。作っては売れ、作っては売れ、人気のほどがよくわかります。
下鴨神社をゆっくり参拝して、小腹が空いたところで鴨川を見ながら軽く一福(いっぷく)。
いゃぁ、うまい。 私はそれほど豆大福が好きじゃありませんでしたが、これはうまい。
妻いわく「甘すぎず塩加減が絶妙、もちもきめ細やか。大福界の王。」
惜しむらくは日持ちしないのでお土産にできないこと。でもそれがよいのでしょう。
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その後、一路、三千院へ。
写真は残せませんでしたが、大和座りの国宝阿弥陀三尊が素晴らしかった。いつか紅葉の時期に来てみたいところです。
さて、時間はすでにお昼時をとうに過ぎています。
湯豆腐のお誘いなどをぐっとこらえて、南禅寺方面へ。そう、日の出うどんが待っています。
いざ、日の出うどんへ
タクシーの運転手さんに、ここらで降ろしてくださいと南禅寺寄りの路上で下車。
空腹のまま南禅寺を背に銀閣寺方面へ。
残暑の厳しいこの日、歩きに歩いて汗とともに流れ出た塩分をカレーうどんで補って欲しいと体が悲鳴をあげています。
そして、日の出うどんへ歩いて向かうと……
唖然とする私たち。
なんということでしょう。 営業時間なのに閉まってるじゃないですか。
臨時休業の張り紙も見当たらず……何にせよ、あれだけ待ちわびた日の出うどんのカレーうどんが食べられないのです……
求むうどん。
失意のなか、うどんの失敗はうどんで取り戻そうということで、近くのうどんやさんへ行くことにしました。
そして、入店待ち中、エネルギー不足ためか注意力が散漫となった私の手元からカメラがスルリ。
きぇー !
旅のために買ったばかりのオリンパスちゃんがぁあああ!
日の出うどん、日の出うどんを食べていればぁあああ(いいがかり)
後ろに並んでいた外国の方に オゥ… と憐憫の目で見られたのがつらかった 。
しかも並んだ割にはうどんが好み味ではないという追い打ち。
カメラは応急処置の絆創膏で事なきを得ました(そう自分に言い聞かせました)が、日の出うどんへの熱い思いは冷めることはありませんでした。
うどんの呪縛
三日目はお昼を決めていなかったので、日の出うどんリベンジということになりました。
日の出うどんのカレーうどんを食わずして京都を離れられない。そんな感情が自然と生まれていたのです。
そして、タクシーで向かうとタクシーの運転手さんが一声「あーやってませんねー」
後部座席で固まる私たち。
でも、やってないものはしょうがありません。タクシーの運転手さんに他におすすめのうどん屋さんをきいて、山元麺蔵というお店へ向かうことに。
なんで京都で連日うどん巡りをしているんだろう…おそろしや日の出うどんの呪縛。
とはいえ、山元麺蔵はこれがまたうまいらしい。
そして、向かった先に待っていたのは……
私たちが京都でおいしいうどんを食べられるのはいつになるのでしょうか。
京都の美味しいものの真ん中にぽっかりと空いた日の出うどんの穴。
娘が大きくなったらいつの日か親子三人で日の出うどんのカレーうどんを食べたい。
そんな思い出のお話でした。