尿管結石になったおかげで娘が早寝するようになった
8月下旬の深夜0時、左背中後部にずーんとくる謎の痛みがきた。小一時経ってもおさまらない。
仰向け、うつ伏せ、三角座り、長座、土下座、あらゆる体勢でやり過ごそうとしたが、ついに限界点を超えた……そこからあまり記憶はない……
妻によると、安眠していたら顔面蒼白の人に「おれだめかも」と起こされてパニックになったけどなんとか救急車を呼べた、だそうだ。あと、痛くなると笑っちゃうタイプの人だったんだね、と言われた。
救急病棟に運ばれ、尿検査とCT検査を受けた結果、尿管結石の診断。噂に聞く尿管結石の痛みはチクチク系だと思っていたが、全く違う質の痛みだった。チクチクではなくてズゥーーーン。まぁ、知っていたからといって我慢できる類の痛みではなかったが。
正式な診断は泌尿器科の先生からということで点滴をしながら朝まで待つことになった。
点滴をセットしてくれる看護婦さんが、夏の夜中は尿管結石で運ばれてくる人が多いんですよ、と言ってるそばから同じ症状で苦しむおっちゃんが運ばれてきて尿管結石の診断をくだされていた。風物詩か。
なかなか寝つけぬまま朝になり、診察へ。先生から説明を受けた。
腎臓から出ている管(尿管)が石で塞がると、尿を排出するときに腎臓が圧迫されて膨らむ。そのときにズゥーンという痛みが来る。圧力の均衡が保たれると痛みもなくなるので、痛みがずっと続くわけではない。ただし、石が動いて圧力の均衡が崩れてまた尿管が塞がると同じ痛みがやってくる可能性がある、だそうだ。
ちなみに尿管結石になるかどうかは食生活によるところ大きく、例えば遅い夕食をとってすぐ寝る、動物性の脂肪やタンパク質をよく食べる、石の原因となるシュウ酸をふくむ食材をよく飲食するなどあるが、これがまぁ全部あてはまること。なるべくしてなった尿管結石であった。
しかし、生活習慣はあらためるとして、問題は石が出ない、今そこにある石。
石が出るまでは、くるかもしれない激痛の恐怖におびえて暮らさなければならない。さらにどうにも石が出ないとなると手術で除去しないといけない。石が出ないまま放置しておくと腎臓が機能低下して止まるかもしれないですし、とかめちゃくちゃ怖い事も言われた。
では、石をどう出すかという話だが、水をたくさん飲んでたくさん動く、なんならジャンプする。これしかないらしい。
そこから、ひたすら水を飲んで隙あらば飛び跳ねるおっさんの涙ぐましい毎日が始まった……
そして、1ヶ月後のCT検査。そこにはまったく同じ場所で元気にたたずむ石の姿が!
2ヶ月後の予約までに石が出なければ手術しましょうか、とのお言葉を先生からいただく。同じことをやっていてはだめだ、焦る気持ちがピークに達した翌日……
我が家にトランポリン届いた。
尿管結石で石を出すのにはジェットコースターに乗ると良いという研究もあるのだから、トランポリンで飛び跳ねれば石も出ざるを得ないだろう。焦る気持ちで買ってしまった。
じつは娘(4歳)も以前からトランポリンが欲しいと言っていて、届いて組み立てるやいなや爆跳。お気に召したようで、レゴフレンズを観ながらずーっとぴょんぴょんしている。
購入にあたって、静音性を優先して金属バネではなくゴムバンド式のタイプを選んだ。そのせいか、飛び跳ねる力はそれほど強くなく、娘も数センチ飛び上がる程度でおさまっている。室内ではむしろこれぐらいのほうが良いのかもしれない。
ところで、このトランポリンは早くも効果をもたらした。我が家の目下の悩みの一つであった娘の夜ふかしが解消されたのだ。
保育園でお昼寝してくることもあって、娘は体力ゲージが8割ほど残った状態で帰ってくる。室内で体力を使った遊びができないものか、と思案していたところにこのトランポリンがガッツリはまった。
帰ってくるやいなやピョンピョン、ちょっと時間ができたらピョンピョン、届いた日からトランポリンは娘の定番グッズとなった。そして、早寝するようになった。
というわけで、尿管結石になったおかげで娘が早寝するようになった話でした。石はまだ出てません。
by パナソニック